岡本 康寛さん

E-Acumenにて研修中

2000年 工学部 電気工学科 卒業

※この記事は、留学情報雑誌「Wish」Vol.5 に掲載されたものです。

この街で謙虚でいる必要はない。それは体験から学んできたこと。

夢と資金があれば、誰もが成功者になれる街、それがアメリカ、シリコンバレー。岡本康寛さんが企業研修を行っているコンピュータテクノロジー会社、「E-Acumen」もシリコンバレーの一角、ここサンフランシスコに2年前に設立されました。

「大学での専攻が電気工学だったこともあって、コンピュータには興味があったんです。本当は就職から逃げてきたようなところもあるんですけど・・・(笑)」

大学卒業後の昨年5月に渡米。語学学校に4週間通ったのち、彼は現在の研修先で働きはじめました。まもなく労働ビザを取得するという岡本さん。着実にステップアップしているように見えますが、実は夏に最悪の出来事があったとか。

「ホストファミリーとちょっと合わなくて、そこを出てしまったんです。ちょうど夏だったので、学校が紹介してくれるホームステイ先はどこもいっぱい。丸一日、家探しをして、ようやく見つけたのがユースホステル。それから2ヵ月間、ユース暮らしでしたよ。そのころはまだ、友達もいなかったから孤独でしたね。1日中、映画館にいたこともありました」

岡本さんいわく「海外生活最悪の時期」を乗り越え学んだのは、何があってもめげないこと。そして、どんな状況でも、それを変えていくのは自分だということ。

「アメリカで謙虚でいる必要はまったくないですからね。今の会社で、最初はプログラム開発とデータチェック、ふたつの仕事をしてたんです。でも僕は、絶対に開発に残ってやると思ったから、直接上司に頼みに行ったんですよ。それで今は開発の仕事をしています。ここにいると、かなわなくてもいいから、とりあえず言ってみる、そういう度胸はつきますね」

やりがいを感じる毎日。でもその一方で、大きな不安に襲われることも・・・。「朝起きて、どうしよう、と怖くなる時があるんですよ。それは仕事に対してじゃなく、もっと根本的なこと。自分はこのままここにいていいのかなって。だけど、ITビジネスの最前線で働きたいと思ったら、やっぱりこの街にいるべきなんですよね。ここで仕事をしていると、さすが技術は進んでるなと思うし、刺激されることも多いですから。

でも僕自身、ずっとここにいるかと聞かれたら、それはわからない。ダメだったら日本に帰ればいい。そうやって常に最悪の状況を考えておくことも大事かなと思うんです。そうしないと逃げ場がなくなって、追いつめられてしまうような気がするから」

そんな彼の当面の目標は、「同僚ともっと打ち解けること」なのだそうです。
「もっと積極的にミーティングに参加して、自分でもある程度戦力になってるなと感じられるようになること。まだまだ孤立している感じなんで・・・」

そう言って少し照れ笑い。しかし、オフィスに戻り、仕事を始めた彼に同僚たちが気軽に声をかけていく姿を見ていると、当面の目標はまもなくクリアされるはず、そんな気がしてきます。

出勤は11時。
仕事によって帰宅時間は
まちまちだが、ヒマがあれば
友人と街に出ることも。

社員のほとんどは30代で
岡本さんは最年少。
上下関係は存在せず、
発言しやすい環境とか。

岡本さんは、労働ビザ取得次第正式に採用され、社会人として新たな一歩を踏み出す予定です。