授業・学習・指導を統括支援するWebシステム

(HIT教育機構通信 第4号掲載)

図1 Webシステムの画面イメージ(出席一覧の表示)

教育内容方法研究開発部門においては、昨年度から「学生の自学自習をどう支援するか!?」という課題について検討を始めました。

教育は人が人を教えることが基本。しかし、近年は座学ではなく、学生が自ら課題を見つけ、自ら解決方法の計画を立案し、解決・実現する体験型学習や創成教育への取り組みが盛んです。

その背景には、「教えることには限りがある」という前提に立って、「教える」から「自学自習」へと教育の転換を意味することであり、ひいては学生の学びの力を養い、自ら考えて行動する活気に満ちたキャンパスづくりなど、「自学自習」を勧めて支援する教育の展開でもあります。

もちろん、自学自習を上手く機能させるためには、正規の授業と連動させ、よりよい学習スタイルや自律的な時間管理も欠かせません。

2008年前期に作業部会(宋・石井・大谷・長坂・教育機構支援室担当者・情報システムメディアセンター〔学内LAN・サーバ関係サポート〕)で検討を重ね、テスト運用を行った後、後期からの本格的な試行を目指して、学生と教職員が時間と空間的に制約されず、正規の授業と、学生の自学自習、そして学生生活支援がトータルにできるWebシステムが、いよいよカタチになりつつあります。

この紙面を借りて、その主要機能についてご紹介いたします。

  1. 出席管理:パソコンとネットが整った教室環境を前提として、授業開始に合わせて自動的に出席登録ができ、その内容を入試区分と合わせてWebブラウザを介して集計・閲覧ができます。図1は架空データによるその画面イメージを表しています。またマークシートやエクセルデータによる出席登録(インポート機能)も併せ持っており、将来は携帯電話や学務部実施予定のICカードによる対応も考えています。
  2. 教材管理:正規の授業の中で取り扱われるデジタル・コンテンツ(pdf、画像、音声ファイル)をはじめ、ワンポイント学習や発展学習に必要な教材を登録し、閲覧と配布ができ、講義スケジュールや講義内容もWeb閲覧が可能です。
  3. レポート提出・確認・評価:授業回数に応じて課題を与え、期日まで課題物を受け取り、全内容を個別・一括確認と評価を絶えず支援できます。履歴データはグラフによるアナライズ機能も兼ね備えて、進捗状況の見える化を支援します。
  4. アンケートと(小)テスト:科目ごとに必要なとき手軽にアンケートを行ったり、(小)テストを実施することができます。問題の形式も記述から、択一、複数選択、穴埋めまで高い自由度を持たせています。またダッシュボード機能によりあらゆる角度からコース全体の傾向分析を支援します。
  5. 掲示板やお知らせ:学生と途切れることなく、one to one形式で向き合えるコミュニケーションツールとして運用を考えています。
  6. シラバス閲覧・検索:学内はもちろんのこと、学外からも必要に応じて、キーワード検索によりシラバス内容が閲覧できるように二重構造にしています。
  7. 成績管理:評価原表とは切り離して、日ごろの出席やレポート、テストなど学生の日頃の学習履歴に対してきめ細かな評価をし、学習意欲の向上と学習プロセスの重視をはかります。
  8. システム管理:年度管理をはじめ、授業運用される科目と学生・教職員の登録、利用者権限など、システム運用に要するデータを一括・個別登録を支援する機能です。

設計開発の基本をシンプルさと使いやすさに軸をおいて進めてきました。コンテンツの登録や編集機能は、ワードプロセッサに似たリッチテキスト編集インターフェイスを用意しております。数式エディタ機能については、次のステップで開発を待つことになりました。

対面授業は教育の原点です。その対面授業も、多人数に対して画一化された教育への反省や、教育のオンデマンドサービスの観点から、限界を感じるようになりました。ITツールも役に立つものばかりではありません。しかし、対面授業で手が届かない部分を補うきめ細かな教育・学習支援や、学習機会を拡大し時間や場所にとらわれない効率的な学習環境の提供などを考えると、ITツールの導入メリットは大きいと思われます。

今後の予定ですが、

  1. 8月下旬にかけてテスト運用
  2. 今年度後期に試行
  3. 2009年度に全学的展開

となっています。

また、後期からの試行に先立って、事前講習会も計画しています。是非、活用していただき、その経験知がπとなりΣとなって、教育研究の質的向上につながって行くことができれば、欣快の至りです。